腎臓がんのステージについて

腎臓がんのステージは、主に4つのステージに分けることができます。

第1ステージに関しては、がんの大きさが７ｃｍ以下ということで、がんの大きさで第一ステージであるかどうかの判断をします。また、がんはまだ腎臓の中にとどまっている状態で転移は見られません。

第2ステージは、腎臓がんの大きさが７ｃｍ以上になっている状態です。しかし、まだこの時期でも腎臓がんは腎臓内にあります。

第3ステージに関しては、リンパ節への転移がある状態か、他の組織にがんが広がっている状態などを指します。

第4ステージに関しては、リンパ節への転移が2つ以上あり、他の臓器に転移している状態です。

各ステージの腎臓がんの治療法としては、第1、第2、第3ステージに関しては、腎臓の部分切除あるいは、全部を摘出するか、動脈塞栓術と呼ばれる、がんに栄養素を運んでいる血液の流れにふたをしてしまうことで、がんを殺す治療法などが行われます。

第4ステージに関しては、場合によって治療法を判断しますが、全部摘出するか、転移が多い場合は、外科手術ではなく免疫療法という選択肢もあるようです。免疫療法に関しては、インターフェロンを用いて患者の免疫力を利用してがん細胞を攻撃させます。

腎臓がんの遺伝子治療について

腎臓がんにも遺伝子治療というものがあります。日本では１９８９年に遺伝子治療が承認されています。

末期の症状の腎臓がんのケースで、がんが他の臓器などに転移があって、外科手術などの治療法がもはや困難である場合に認められています。

ですから、まだどんな腎臓がんの状況時にも行えるわけではなく、条件が限定的だと言えます。どのくらいの効果があるのかということに関しても、遺伝子治療の統計がとれていないのでまだ有効的かどうかということも判断が難しい段階とも言えます。

腎臓がんの遺伝子治療の具体的な方法としては、腎臓を取り出して、免疫機能を強くする遺伝子を、がん細胞に取り入れて再度患者の体に戻すという方法をとります。

日本ではまだ遺伝治療を初めて、日が浅いですがアメリカなどではすでに多くの試験的な遺伝治療を行ったケースがありますが、依然として有効的に効果的であったという統計データは見いだせていない状況ではあります。

とはいえ、結果がまだ出ていないとはいえ、遺伝治療は外科手術などよりも副作用も少なく、腎臓がん患者の負担を最小限に治療を行える可能性も秘めている、将来的には期待される治療法なので、今後の技術の向上が求められます。

腎臓がんの最新治療について

腎臓がんの最新治療法は、腎臓がんに有効とされる免疫療法をさらに進化させたものが有名です。

その中に免疫賦活療法というものがあります。これは、がん以外の異物を体の中に注入することによって、免疫機能を刺激することによって、免疫力を高めます。そうすることによって、がん細胞をより攻撃の対象とみなすように仕向けます。

また、がん細胞に目印を作る方法もあります。腎臓がん患者のがん細胞にたんぱく質を作らせることによって、目印をつけます。この目印を免疫機能は外的とみなすようになり、これに攻撃を加えます。

さらにもう一つの方法として、がん細胞と免疫機能の役割をもった細胞を取り出して、これらをくっつけます。

また、患者の親類などで、ドナーの骨髄から免疫細胞を移植して、ドナーの免疫細胞に腎臓がん患者のがん細胞に攻撃してもらいます。

簡単そうですが、実際に親類であっても、血液が腎臓がん患者に当てはまらないと行えません。ですから、すぐに治療を行えるかどうかは運もあると言えるでしょう。

このような、免疫療法などを用いた腎臓がんの最新治療技術は様々な進歩を遂げているようではあります。しかしながら、必ずしもこれらの治療法が腎臓がんの完全なる治癒に至るかということは、完璧には言えない問題もあります。また、腎臓がんの症状に応じて、がんが広範囲に広がっていたり、転移していたりしていて外科手術が行えいないような場合に行うことが多く、現在の腎臓がんの治療法としては、早期発見ならば外科手術が第一選択肢になってくるようです。

腎臓がんの免疫療法について

腎臓がんは免疫療法が有効的であるとされています。その前に免疫療法とは、人間がもともと持っている免疫機能を使ってがん細胞を死滅させようとする治療法です。

もともと持っている免疫機能が働けば、がん細胞をうまく攻撃してくれます。免疫機能の中心的役割を担っているのが、血液中などに含まれる白血球です。

ですから、腎臓がんの免疫療法も白血球などの抗体を利用することによって、がん細胞を敵とみなし、攻撃するように免疫機能を強化する必要があります。

免疫療法を行うには、基本的には免疫細胞が生み出すと言われる、インターフェロンやインターロイキンなどを注入します。

また他の方法としては、キラー細胞というがんを破壊する細胞を増殖させて投与するという方法もあります。

このような方法を行うことによって、がん細胞を異物と判断し、攻撃する細胞を送り込み、腎臓がん患者の免疫力を高めることができます。

そして人工的に強められて免疫機能が機能すれば、がんを攻撃し増殖を防ぐことが可能になります。

腎臓がんの外科手術について

腎臓がんの外科手術については、以前までは基本的に腎臓の全部の切除をするといった方法が取られていました。また、転移などがあれば周辺組織も一緒に摘出するという方法が取られていました。

最近では、全部摘出しなくても、部分的な腎臓の摘出だけで終わる場合もあります。

また、転移があってがんが進行している状態であっても、腎臓は2つあるために一方を切除することもあります。一方を切除することによって、他の臓器に転移していた場合に用いられる免疫療法の治療効果を上げるという意味合いがあります。

また、腎臓がんが進行していて完治が難しい場合でも、腎臓の一方を切除する理由として、放っておくと出血したり、貧血、発熱などといった問題を発生させるためです。完治が難しくても、少しでも症状を和らげ、生活をしやすくします。

しかし、最近の技術の進歩により、腎臓がんの早期発見も可能になり、早期に手術することも可能になりました。また、このように早期に腎臓がんがわかれば、内視鏡の手術だけで済む場合もあります。

内視鏡を使った手術では、開腹手術ではないため患者の負担を大いに軽減することができます。

ちなみにこの以前は内視鏡手術は保険がききませんでしたが、もうすでに内視鏡手術も保険が適応される治療法として確立されました。

腎臓がんの検査法について

腎臓がんの検査で有効とされているのは、超音波検査、ＣＴ、ＭＲＩを使用した画像検査です。

触診してしこりができていないかどう検査したり、血液検査も行われますが、腎臓がんの初期の段階では発見されることはないので、発見される時はすでに腎臓がんが進行している状態であると言えます。

腎臓がんは骨に転移している可能性がありますから、それを調べる検査法として、シンチグラフィーと呼ばれる骨にスキャンをします。

超音波を使った検査では、メリットとして患者に対する負担が少ないことが挙げられます。また、腎臓がんの検査ではありますが、他の腎臓の病気も見分けてくれるというメリットもあります。

ＣＴを使った画像検査では、腎臓がんがどのように成長していて、他の組織に転移しているかということが分かります。

ＭＲＩでは、ＣＴでは補えない部分を検査するときに使用します。がんによって静脈を塞いでいないか、がんがどれだけ進行して言うかといったことが分かります。

骨への転移を調べる検査として、シンチグラフィーという検査法もありますが、これは放射線を使って調べる検査法です。

腎臓がんの予防法について

腎臓がんを予防するには、食生活や生活習慣を見直すことによってある程度予防することは可能であると思われます。

腎臓がんになりやすい人をみていくことによって、腎臓がんをいかに予防するかということもわかるというものです。

その一つに、腎臓がんは男性の方がなりやすいということです。男性の方が多いわけですから特に男性は気を付けなくてはいけません。

そして、食生活でいえば脂っぽいものを多く食べている人は、腎臓がんになりやすいため、なるべく脂っぽいものを控えることは予防になると思われます。体重が重く肥満と診断されている人も注意が必要ですので、太り過ぎないように体重を管理するのも予防になります。

また、生活習慣としては、喫煙をしている人は腎臓がんを発症しやすくなるので、禁煙をしていた方が予防になります。

前にも触れましたが、糖尿病で人工透析を受けている方は腎臓がんになる確率が増しますから、恐らく医師にも言われると思いますが、検査を常にする必要性が出てきます。

遺伝性の問題も無視はできません。自分の家系に腎臓がんを発症した人がいる場合は、他の家系と比べて腎臓がんになる確率が増しますから、常に検査を定期的に受けることが予防につながると思われます。

腎臓がんの原因について

腎臓がんの原因は、まだ判明していないことがあるようですが、尿細管の内側の細胞が何らかの原因で変異した結果がんが増殖するに至ると言われています。

最近では腎臓がんを引き起こしている遺伝性と思われる、フォンヒッペルリンダウ病という病気が注目されています。

この病気は、血管が異常に大きくなっていくという遺伝病ですが、これに罹ると毛細血管が束になって増えていきます。

この遺伝病は、腎臓がんを発症させるとも言われています。

フォンヒッペルリンダウ病を研究していくと、3番染色体のＶＨＬ遺伝子や、9番染色体のＴＳＣＩ遺伝子が関係していることが判明しています。

仮に、こういった遺伝子を持っている人がいた場合は、腎臓がんになる可能性を事前に予知することができます。

また、遺伝子以外にも腎臓がんの原因に関係しているものとして、タバコを吸うことも原因に関係しているという統計があります。

これは長期にタバコを吸っていればするほど、腎臓がんを発症しやすいと考えられています。

その他の腎臓がんの原因と関係が深いものとしては、喫煙以外にも肥満や糖尿病で人口透析を受けている人は、腎臓がんに発症しやすいと言われています。特に透析患者に関しては、腎臓がんの発症率が飛躍的に高まりますから、常に検査を行う必要性があります。

腎臓がんの生存率について

腎臓がんを発症されている方は、国全体の中で1万人以上はいると言われています。そのうち３千人以上は一年に亡くなっている年がありました。

男女比で言うと腎臓がんの場合は、男性の方が生存率が低いようです。女性よりも多く亡くなっています。

腎臓がんを5年生存率で見ていくと、約半数は生存しています。また、腎臓がんが片方のみで、早期に発見できた時は、９０％以上の5年生存率になります。

腎臓がんの生存率を握るのは、やはり早期発見だということでしょう。しかしながら、すぐに発見されるには、検査を受けていて偶然見つかったなどということがしばしばあるようです。

そのように早期に発見できれば腎臓がんに関しては、十分回復が可能であるということでしょう。他のがんと比べても生存率は比較的高い方であると言えるかもしれません。

腎臓がんの特徴について

まず腎臓という臓器は基本的に血液中の不要物を分けて尿に変える組織です。尿だけでなく、人体に必要なホルモンの生成も行っています。とりわけ尿をつくる作用は有名です。

腎臓がんの特徴としては、腎臓がんの大半を占めているがんは尿細管と呼ばれる組織から発生します。

また、腎臓はもともと2つありますが、2つの腎臓ががんに侵されることはありません。およそどちらか一方の腎臓にがんができます。

腎臓がんの特徴として、肺や骨に転移するという特徴があります。ですから当初は肺や骨のがんとして発見されるに至り、検査を詳細に行った後に腎臓がんがもともとのがんの原因と判明することも多いようです。

転移が他の臓器にあったとしても、すぐには自覚症状には至りにくいという特徴もあります。

また、腎臓がん以外の良性の腫瘍に関しては、腎血管筋脂肪腫やオンコサイト―マという名称で呼ばれていて、腎臓がんとは区別されます。